« 9/9 日本一周65日目(新潟・小千谷~群馬・水上) | トップページ | 9/11 日本一周67日目(前橋~渋川) »

2006年9月11日 (月)

9/10 日本一周66日目(水上~前橋)

Photo_5 ☆今日の概要☆

・ダイハツ渋川店で車を見てもらう
・水上「そば処 角弥」(野菜天ざる)
・谷川温泉「旅館たにがわ」(太宰治ゆかりの宿・通算385湯目)
・奈女沢温泉「釈迦の霊泉」(通算386湯目)

★本日の走行キロ 142キロ

☆今日のイチオシ☆

・谷川温泉「旅館たにがわ」


☆今日の詳細☆

7時頃目が覚めた。
車のオーバーヒートが、ディーラーに見てもらった結果、
何とか事無きを得て安心する、というような内容の、
思いっきり願望が投影された夢を見た。

恐る恐る車のエンジンをかける。
何とか掛かるようだ。
だが、走るかどうか。

大掛かりな修理となれば、
数日掛かる恐れもあるだろう。
そうなれば仕事に使う道具を最低限、
車から出しておかねばならない。
落ち着かない気持ちで、荷物の整理をやった。

所沢ナンバーのおじさんが、
僕の湯桶を見て、
「へえ~珍しいねぇ」と話し掛けてきた。
一応、日本一周の途中であることとか、
それなりには話したが、今はそれどころではない。
いつもなら楽しく会話できるところなのに、
今回ばかりは早く終わらせたかった。

ディーラーの営業時間前から何度も電話を掛けた。
9時過ぎにようやく繋がった。
水上からいちばん近いディーラーは渋川らしい。
聞けばここから40キロ離れているという。
そこまでムーヴが走るだろうか・・。
ダメな場合は、ロードサービスに頼むしかない。

不安げに車を走らせる。
とりあえずは大丈夫だ。
走らせてすぐ、水温計が勢い良く上昇してきたが、
真ん中あたりで安定した。
窓を全開にして国道17号を南下した。
走っていて、特に違和感はなかった。
試しに数回、エアコンを掛けてみたが、
そこそこ涼しい空気が出た。
恐いのですぐに止めた。

何とか無事、ディーラーまでたどり着いた。
ここまで問題なく来れたのなら、
とりあえずは最悪の事態は脱したのではないかと思った。

車を預け、待つこと10分。
担当者が僕のところへ来た。
とりあえず、エンジンはやられていないらしい。
ラジエーターかファンかサーモスタットの劣化が恐らくの原因だろうと。
また、車のエアコンは基本的に運転中に入ってくる風を利用していて、
アイドリング中はその風が当たらないので、冷えにくいそうだ。
また、入ってくる風はエンジンを冷やす役目も果たしていて、
アイドリングしている時にはその風が全くない状態なので、
冷却水の水温もどんどん上がっていくものなのだという。
何時間もアイドリングして、エアコン全開にしてれば、
それはオーバーヒートも起きてきますよ、と言われた。

そんなこと全然知らなかった・・。
本当に車には無知である。

劣化の疑いありの部分を全て交換するとなると、
10万弱掛かるらしい。
しかも、部品は取り寄せになり、
群馬県内にあれば来週半ばには着工できるが、
そうでない場合、取り寄せ待ちだけで1週間掛かってしまうという。

10万弱か・・。
出せない金額ではないが、相当痛いことには違いない。
段階的に、値段の安いサーモスタットを交換してみて、
その次にファンを、それでもダメならラジエーターを、
という方法も考えたが、
その都度ラジエーターをはずす工賃が掛かるので、
割高になりますよと言われて、躊躇した。

停車中はエンジンを切るようにさえしておけば、
とりあえずは大丈夫と言われたので、
どこも直さずにそのまま乗ってきた。

しかし…いまだ猛暑の続く中、
エアコンなしの車内ライフは厳しいものがあるな。
ブログの更新には結構時間かかるし、どうしたものか。
それに、ラジエーター液の温度は、
エアコンを使ってなくても、
アイドリングしてるだけで上昇していくものらしい。
シガライターソケットからノートの電源を取ってる僕は、
いったいどうしたらいいのか…。
エンジン故障という最悪の事態は免れたものの、不安は尽きない。

今日はずっと、水温計を注視しながら走った。
真ん中からすこしでも上に行くとダメだという。
そういう場合には、エアコンを切り、ヒーターをいちばん熱くして、
エンジンルーム内の熱を車内に逃がす方法で冷やしてくださいと言われた。
宿泊地の前橋市に向かう途中で、断続的な渋滞にハマり、
そのたびに水温は上昇した。
時にはH付近まで上がったが、その都度、上の方法で熱を逃がした。
こんな状況が、これからずっと続くのだろうか…。
やはり、どこかの県で、サーモスタットだけでも交換してみようかな。
っていうか、明日ちゃんと乗れるんだろうか…。

とりあえずは一安心したので、
温泉に行くことにした。
群馬は草津・伊香保をはじめ、名湯が多い。
昨日泊まった水上のあたりにも入ってみたい温泉がいっぱいある。
群馬に来るのは二度目で、その時には法師温泉しか入らなかったから、
今回は気合を入れてハシゴ湯したい。

宝川温泉「汪泉閣」という、とても広い露天風呂のある宿を目指し、
その道すがら通り掛かった「そば処 角弥」で「野菜天ざるそば」を食べた。
P1010001_9
コシの強いそばにサクサクの天ぷら。
どうも日本一周第2章は、ラーメンよりそばを食べる機会の方が多い。
何気なく通り掛かったのだが、けっこうな有名店らしい。
県外ナンバーの車が何台か駐車場待ちをしていた。
あとからネットで調べたら、創業250年の老舗だという。
 
宝川に向かうつもりで、急に気が変わり、
谷川温泉に行くことにした。

谷川温泉は、僕が父とも慕う太宰治ゆかりの地である。
小説「姥捨」の舞台になったのが、このあたりだし、
「たにがわ」という名の旅館の前身である「川久保屋」に、太宰は逗留し、
「創世記」という短編を書き上げた。

太宰と僕はほんの少しだけど、シンクロしてるところがある。
太宰の本名は「津島修治」だが、この修治という名は、僕の父の名と同じだ。
また、太宰の友人で作家の壇一雄さんが亡くなった日に、ちょうど僕が生まれた。
こういう共通点は、太宰にハマってしばらくしてから知って、
何かちょっとうれしくなった。

その太宰ゆかりの宿、「旅館たにがわ」は、
清潔で瀟洒な宿だった。
P1010003_11
「湯桶持参ですか、珍しいですね~」と
フロントの恐らくは支配人の方が笑顔で迎えてくれた。
従業員さんの教育も行き届いているようで、
日帰り客にも非常に丁寧に接してくれて、好感が持てた。

入浴料金は1000円。
関東圏の温泉だから、このくらいは仕方あるまい。

太宰関連の資料が少し展示してあったので、
感慨深く眺めていると、
福田元官房長官に似た初老の従業員さんが寄ってきた。
日本一周をしているのだと告げると、
「私も若い頃はいろいろ回りました」と言って、
徒歩でいろいろ歩き回った時のエピソードを少し話してくれた。
「こういうことはね、なかなか出来ないですから、
 出来る時にちゃんとやっておいた方が後悔しないですね」とその人は言った。
深く同意した。
僕もそのつもりで日本を周っている。
今年が僕にとって最良だと思ったのだ。

大浴場も、小綺麗な作りだった。
P1010002_7
檜をふんだんに使った浴室で、湯船の広さもちょうど良い。
檜の切り株が湯口となっているのも洒落ていて良かった。
何となく、法師温泉に新しく出来た大浴場を思い出した。
小さいながら露天もあった。
泉質は無色透明無味無臭の単純温泉。
やさしくやわらかいお湯だった。

宿の向かいにある駐車場は、
「川久保屋」の跡地で、太宰の文学碑が建っていた。
太宰が死ぬ間際に遺した
「池水はにごりににごり 藤波の
 影もうつらず 雨降りしきる」
という、伊藤左千夫の短歌が刻まれていた。
しばらく眺めていると、フロントの人が駆け寄ってきて、
「もしよかったら、写真を撮りましょうか?」と言ってくれたので、
お言葉に甘えた。
P1010004_7
離れたところから、わざわざそんな気を回してくれるとは。
「またぜひ、いらっしゃってください」と笑顔で送り出された。
もてなしの充実を、立ち寄りのわずか1時間のうちにも垣間見えた。
さすがは「日本の宿を守る会」の会員になっている宿である。
今旅中、いちばん良い宿だと思った。

今日はもうひとつ温泉をはしごした。
どうしても興味を引く温泉があったのである。
その名も…「釈迦の霊泉」。
何でも、神のご神示によって掘られた温泉で、
入っても飲んでも効能のあらたかな湯で、
医者に見離された難病が快癒した例は枚挙に暇がないほどだという。
アヤしいもの好きの僕としてはここを通り過ぎるわけには行かない。

国道291号と併走して走る県道を、
水上方面から南に下がってくると大きな看板があるのですぐに分かる。
その指し示す小道を入っていくと、すぐに山道になる。
「釈迦の霊泉」と書かれたゲートを通過して、さらに細道を登る。
P1010005_10
途中、アヤしげな施設が右手に見える。
中心に六芒星を配したいくつもの鉄柵で、施設を囲ってあった。
「たくさんの神々が集まっておられますので、中には入れません」と門に案内があった。

「ってか俺は俺で神様のひとりだよなぁ」と
罰当たりなことをつぶやきながら、さらに上った。

しばらく進むと、六芒星をかたどった鉄柵の門が、開いていて、
さらに上っていけるようになっていた。
そしてとうとう到着した。
奈女沢温泉「釈迦の霊泉」。
P1010006_1

単に興味本位だけで来たわけではない。
僕もいちおう、スピリチュアルの末席にいる人間だ。
神仏を敬う思いは、それなりにあるつもりだ。
それに、こういう本格的な湯治場には、
重い病を治そうと真剣な気持ちで滞在されている方々が多い。
そういう真摯な気持ちを、僕も尊重したい。
もし、そういう方々の邪魔にならないようなら、
湯船の隅っこに少し入らせていただけないか、という気持ちでいた。

受付の方の対応は、良かった。
「あくまで宿泊客優先ですので、
 立ち寄りの値段は2000円と高いですが、よろしいですか?」
ネットで調べて、料金は承知していた。
「それから、いちど上がったらもう一度入ることが出来ません」
これも了解した。

飲用のためのご神水は、2リットルまでは無料だという。
いちおう、ペットボトルを持参していたので、帰りにもらっていくことにした。

湯船は受付を入って左、食堂の中を入って、その奥にあった。
P1010008_2 P1010007_2
小さな湯船が二つ。
ひとつはジャグジー風になっていて、
もうひとつは普通の湯船。
小浴場という感じだった。
泉質は、無色透明無味無臭、
メタケイ酸の含有が基準値を超えているために、
「温泉」の定義に当てはまるとされた温泉のようだ。

「御神水」と表示された蛇口があった。
コップもあったので、2杯くらい飲んでみた。
味的には普通の水と変わらなかった。

浴室での世間話は禁止と書かれてあったが、
僕の後に入ってきた方が話し掛けてきたので、
他に誰もいなかったし、少し喋った。
40代くらいの痩せた人だった。
この人も若い頃には自転車で日本を駆け巡ったという。
2ヶ月北海道に行ってきたと話すと、
頬を緩めて、「いいなぁ」と言った。

帰りに食堂で「御神水」をペットボトルに注いだ。
傍らのテーブルには、
病が治癒した人たちから届いた手紙のコピーが、
病気の種類別に10以上ものファイルに分別され、並べられていた。
それぞれがぶ厚く、効能の凄さを誇っていた。

どんな方法であれ、
ある人の病が治って、その人に笑顔が戻るというのは
素晴らしいことだと思った。


« 9/9 日本一周65日目(新潟・小千谷~群馬・水上) | トップページ | 9/11 日本一周67日目(前橋~渋川) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/119384/3395595

この記事へのトラックバック一覧です: 9/10 日本一周66日目(水上~前橋):

« 9/9 日本一周65日目(新潟・小千谷~群馬・水上) | トップページ | 9/11 日本一周67日目(前橋~渋川) »